どうも、えまおです!!
10年間医局に所属している泌尿器科勤務医が大学病院医局について解説します
医局は入るのは簡単だが、辞めるのはかなり難しいです。
医局に所属するか悩んでいる研修医の皆さんは、しっかり医局のメリット、デメリットを考えてから進路を決めましょう

医局っていいイメージないなぁ~

医局所属するメリットもちゃんとあるから、先入観ダメ!!
医局とは?

医局とは大学病院の診療科ごとのグループ組織です。
医局の序列はトップが教授であり、准教授、講師、助教と続きます。
助教までが正規スタッフであり、その下には医員、大学院生がいます。

医員や大学院生は非常勤扱いだよね

医局の雑用部隊だなw
また、特任教授や臨床教授、客員教授などのバリエーションがありますが、教授の役職が一番高いです。
大学医局は所属する医師を関連病院に医師を派遣しているので、医者の少ない地方などではかなりの力をもっています。

この人事権が医局の力の源
この人事権をもっているのは大学教授なので、いかに教授の権力が強いかわかるでしょう。

ぜひドラマ「白い巨塔」を見てください
研修医制度やマッチングが始まってから医局の力が衰えたといわれておりますが、医者不足の地方においては医局の力は絶大です。
他にも、大学院生を指導して博士号を取得させたり、多額の研究費用をもっております。

新専門医制度がはじまってから、また医局の力が強くなっている
医局以外の選択肢
医局以外の選択肢としては以下のようなものがあります
- 開業医
- 市中病院の勤務医
- フリーランス医師
開業医
自分で病院を経営するパターンです。
研修医が終わってすぐに開業する医師はほぼいないです。
通常は別の病院で数年勤務した後に自分で開業する、または親の経営する病院を継承することが多いです。
市中病院の勤務医
病院と医師個人の契約で勤務するパターンです。
医局から派遣されてきた医師と違って、働きや診療能力次第ではクビになることもあります。

自分で就職活動が必要だよ
フリーランス医師
特定の病院に所属せず、非常勤医師としてあらゆる病院で働く医師です。
ドラマ「ドクターX~外科医・大門美知子」が有名ですが、実際はフリーランスの外科医はかなり稀で、麻酔科医が多いです。
稼ぎは多いですが、リスクも高いです。
フリーランス麻酔科が多い理由
- 麻酔科医が少ない
- 麻酔科医は病棟で患者を継続的に診察するわけではないから
- 収入が高いから(特に心臓手術の麻酔)
研修医が進路で悩むパターンは医局に入るか市中病院の勤務医になるかなので、それぞれのメリット、デメリットを挙げます。
医局に所属するメリット
・大学病院で高度な専門性のある治療(癌治療、移植など)を学べる。
・最新の医療設備がある。
・転勤により様々な病院で診療を学べる。

病院によって得意分野と苦手分野がある。

1か所の病院だとどうしても偏りが出るんだよね~
・クビにならないので生活が安定している。

どんなに無能でも何らかの働き口を提供してくれるよ
・出世したら教授や病院長になれる。

優秀なごく一部の医者限定なw
・専門医が取得しやすい

研修プログラムの長が教授です
・博士号が取得できる
・海外留学できる

海外の大学にコネがあるから、留学も有利だよ
・トラブルになった際に病院が守ってくれる
医局に所属するデメリット
・上下関係が厳しい:教授には絶対逆らえない。

バリバリの縦社会だよ
・雑用業務が多い:論文や研究のデータ取りまとめ、授業スライドづくり、講演会の準備など

診療とは関係ないことも多いよ
・人事異動により転勤がある:地方だと島や陸の孤島のようなところへの転勤がある。

異動先も選べないよ
・働かない医師の埋め合わせ:当直しない医師、定時にすぐ帰る医師もクビにならないので、その分周りが働きます。
・医局費の徴収:毎月医局費を払います
・辞めることが困難

5年かかって辞めた人もいます
市中病院に所属するメリット
・一般疾患の経験を多く積むことができる。

症例数自体は市中病院が圧倒的に多いです
・大学病院よりも給料が高い

てか、大学が安すぎ
・上下関係が比較的マイルド
・辞めるのが比較的自由

医局と比較した場合の話ね
市中病院に所属するデメリット
・専門性の高い治療はできない

高度な治療が必要なときは大学へ紹介するよ
・所属する病院の治療法しか学べない:手術場合、一つの術式しかできないなど
・医師が少ない病院だと激務:一人で入院患者30~50人を受け持ったり、当直、オンコールをほぼ毎日しないといけないことがある。

1~2人の診療科は激務になることも
・能力次第ではクビになることもある。

病院に貢献できないと、契約更新されないかも
結論
大学医局も市中病院もそれぞれメリット・デメリットがあるので、
自分が何を一番重視するのかで進路を考えよう。
まずは医局に所属して一般疾患から専門疾患まであらゆることを経験して、
専門医を取得して将来の選択肢を増やすのいい。
若いうちにいろいろ経験できるのが大きいです。

専門医取得するまでは我慢!!

医師ランキング
おわり



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